人との関係をとおして自分の意識が表現されるとき、それは自身の未解決な問題を映し出して見せてくれる強力な鏡となります。
他者との関わりをもたなければ、自分は気づきや思いやりの心を有する、一定の意識レベルに達した人間だと容易に信じ込んでしまいます。
しかしひとたび人と関わることを選択するやいなや、正直で明晰な意識があれば、自分自身の愛情や思いやりに欠けた部分がたちまち明らかになるでしょう。なぜかと言えば、人はあなたの気持ちを逆なでするものだからです。
したがって、人と関われば摩擦やもめごとといった相当の不快感、さらには苦悩すら引き起こす可能性があるのです。
ほとんどの人が自分の感情を切り捨てたり、真実を言わなかったり、本当の意図を自分にも相手にも隠したりして、不快な状況を避けています。
その結果、本来なら意識が水晶のように澄みわたって明晰になる絶好の機会であるにもかかわらず、どんよりと曇った意識になってしまうのです。
(中略)
その解決策の基本とは、人との関わりのなかで、できるだけ率直であること、そして自分の要求や願望をできるだけ誠実かつ明確に相手に伝える努力をすることです。
新・ハトホルの書/トム・ケニオン
最終更新日 : 2018-07-12